マレーテクノロジーミュージアムには、昔の水上集落だけではなく、先住民の生活についても展示がありました。
水上集落ができるまえからブルネイに住んでいた人がいました。
この先住民族、イバン族はジャングルの川辺に住んでおり、陸地なので日本人にもなじみのある高床式住居だったようです。
どの国もネズミには困っていたんですね。
これはブルネイの伝統料理アンブヤットを作っているところです。
幹を釘つきの道具でサゴヤシの樹幹を削ってフレーク状にし、かごに集め、サゴヤシ粉に加工します。
サゴヤシ粉にお湯を混ぜて練るとアンブヤットになるそうです。
こちらがアンブヤット料理。左下の白いものがそれです。
アンブヤットは主食の扱いで、魚などのおかずが付きます。
割りばしのようなものに巻き付けてから、辛みのあるソースをつけていただきます。
整形できないほどゆるいわらび餅に、刺身こんにゃくのたれをつけて食べている感じでした。
(基本的になんでも完食できる人ですがちょっと残しました)
先住民族はなかなか過激な民族だったようです。
こちらが家の中の様子を展示したものですが、頭蓋骨が吊るしてあります。
別の部族の首を刈って、頭蓋骨を保管し、結婚の際に婿が自分の力を誇示するために結納として嫁の父親に渡していたそうです。
実は、この過激な首狩り文化、他民族との争いを収めたのは日本人だったそう。
第二次世界大戦中、日本はブルネイを3年間統治しましたが、ブルネイの統治を担当したのが木村強氏。
木村氏は、植民地支配をするのではなく、後世の日本人がブルネイ人に恨まれないような、ブルネイと日本両方が発展できるような道を模索しました。
後世の日本人が恨まれないような支配、良い仕事をしてくれます。
木村氏は当時の国王の弟を秘書にし、天然資源を採取する工場を造り雇用を生んだり、交通・電気・通信などのインフラ整備を整えたりしました。
その過程で、先住民族の部族間争いや、先住民族と移住民族の蟠りを解いた方が国益になると考え、首狩りの風習も終わらせたそうです。
木村氏は1年でブルネイを離れることになり、終戦後もブルネイに行く機会はありませんでした。
木村氏の秘書だった国王の弟は、後に28代国王となり、どんなポジションでも用意するから木村氏にブルネイで働いてほしいと頼んだそうです。
しかし、既に高齢だった木村氏は、「自分の力はもう必要ない」と断ったそうです。
今でもブルネイは親日的で、採掘した天然ガスの9割を日本に輸出しています。