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なぜシンガポールは『明るい北朝鮮』なのか - TripLearner
なぜシンガポールは『明るい北朝鮮』なのか - TripLearner

23SGD払ってあの有名なマリーナベイサンズの上に登ってみた。
とっても綺麗な街並み
というか

綺麗すぎる

東京の都心でもあるじゃなない。
新しい建物に混じって点在する戦後の混乱期に建てられた古いものとか。
持ち主と連絡つかなくなって取り壊しできない空き家とか。
なんでまだ営業してんのみたいな古びた商店とか。

そういったものが一切ない。
全てを計算してから建てたかのように、綺麗に整理されている。

これ、

本当に計算してるんです

シンガポールは明るい北朝鮮なんて呼ばれることがある。
最初は全く意味が分からなかったが、政府機関を見学して、その片鱗が垣間見えた気がした。

URA

日本の交通省的な役割を果たしているのがURA(Urban Redevelopment Authority)。
シンガポールの街を作っている機関だ。
今回は、3月末一般公開予定のシティギャラリーを特別に見せてもらった。

まずはミニチュアシンガポールで街の説明。

一般公開前ということでまだ作りかけだったけど。
音楽聞きながらこれ作る作業してたお姉さんが楽しそうだった・・・。

話を戻すと、
模型を見れば一目でビル地帯、公園地帯、住居地帯、と綺麗に分けられていることが分かる。

因みに、 マリーナベイは海水に見えるが、実は淡水。
海と湾を隔てる部分がダムになっている。
シンガポールは水もマレーシアからの輸入に頼っているが、湾に淡水を蓄えているので国際問題が起きても少しの間は大丈夫。

ありとあらゆるケースに備えて準備する、それがシンガポール。

URAの人が常に主張していたのは

シンガポールは土地が狭いので失敗は許されないんです。
適当に建設してから「やっぱり要らなかった」なんて言えないんです。

ということ。

シンガポールには東京23区程度の土地しかない。
今後子供が増えるのか、お年寄りが増えるのか、移民は増えるか、どのレベルの住居とスーパーが必要になるか、全部予測してからどこに何を建てるのかを決めているらしい。

政府は5年ごとに海外の事例を研究しながら将来を予測、10年おきに予測を公開して街づくりを始める。
政府が決めた計画に基づいて、入札で建設企業が決まっているようだ。

そして、どう予想しても土地は足りないということで沿岸で埋め立ても行っている。
シンガポールの土地は拡大しているわけだ。

ただ、南側に変な形で拡大すると港の使い勝手が悪くなる。
そこで北側に拡大したいのだが、それはマレーシアが怒る。
地図で確認すると、既にシンガポールとマレーシアは十分近いことが分かる。
マレーシア側に埋め立ててはマレーシアとシンガポールが繋がってしまう!!

ということで、埋め立てを進めているとはいっても好き勝手に埋め立てられるわけではない。
結局土地が足りないのだ。

『明るい北朝鮮』とは

狭い土地だから、全てを合理的に進めなきゃならない。

資本主義は要するに、
「ダメな事業はどうせ潰れるからとりあえずやるだけやってみれば」
というスタンス。

土地が狭いシンガポールでは「とりあえずやってみる」が許されないのだ。

従って、全ての事業は政府が決める。
それが一番合理的なのだが、その状況で自由な事業・生活はできるのだろうか・・・。
政府の決定に従って事業を始めるということは、政府の決定に従って事業を終わらせる日がくるということ。

これ以外にも、車の所有や家について国民は制限を受けている。
しかも、シンガポール政府は事実上の一党独裁。

この状況でも文句が出ないのは、政府が本当に優秀で、常に合理的な判断をしており、そのお陰で国が成長し続けていて、誰も不満を抱いていないから。

少なくとも、今は。

「明るい北朝鮮」がいつまで明るいかは、まだ分からない。

カテゴリー: Singapore

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