サグラダ・ファミリアで感じた神聖な時間 – TripLearner

バルセロナを訪れるなら、サグラダ・ファミリアは絶対に外せない観光スポット。
この世界的に有名な聖堂は、アントニ・ガウディの未完の傑作として知られ、建設が開始された1882年から現在まで作業が続いています。
私も今回、この壮大な建築を訪れ、生誕のファサードの塔に登るという貴重な体験をしてきました。
チケット購入時のメールに添付されているサグラダファミリアアプリからオーディオガイドを聞けます。日本語もあるので事前に一読しておくと当日をより楽しめると思います。

アントニ・ガウディという建築家

サグラダ・ファミリアの建設計画は、もともとフランシスコ・デ・パウラ・デル・ビリャールという建築家が手掛けていました。
しかし、資金面の問題やデザインの方向性の違いから彼がプロジェクトを離れ、1883年に若き日のアントニ・ガウディが建築を引き継ぐことになりました。
当時31歳のガウディは、このプロジェクトに対し情熱を注ぎ、建設の進行とともに自身の独自の建築スタイルを発展させていきました。
ガウディは次第に他のプロジェクトから手を引き、最終的にはサグラダ・ファミリアの建築に人生を捧げる形となります。

ガウディの死因

ガウディは1926年、建設中のサグラダ・ファミリアに全精力を注いでいた最中に、交通事故に遭遇しました。
トラムに轢かれるという悲劇的な出来事で、彼はすぐに病院に搬送されましたが、手遅れでした。
彼はその後数日間を公立病院で過ごし、同年6月10日に68歳でこの世を去りました。
そのシンプルな生活から、事故当初、彼が偉大な建築家であることに気づかなかった人々も多かったと言われています。
ガウディは現在、サグラダ・ファミリアの地下に埋葬されています。

生誕のファサードの彫刻 (Nativity Façade)

生誕のファサードは、イエス・キリストの誕生を象徴する物語を細かく表現しています。
羊飼いや天使、聖母マリアとヨセフの姿など、聖書に基づいたシーンが彫刻として描かれており、一つひとつが生命力に満ちています。
これらの彫刻は、見る者に感動を与えるだけでなく、宗教的なメッセージを伝える役割を果たしています。
また、自然を模したデザインも特徴的で、動物や植物のモチーフが随所に見られるのもガウディらしい演出です。

さらに、ファサードの扉は日本人彫刻家・外尾悦郎氏による作品であることも特筆すべき点です。
外尾氏が手掛けた扉には、聖書の文章が刻まれており、その緻密なデザインが訪れる人々を引き込みます。

内部の静謐さと瞑想の空間

塔の外側が彫刻で賑やかに装飾されている一方で、聖堂の内部はまったく異なる印象です。
カラフルなステンドグラスから差し込む柔らかな光が神秘的な空間を作り出し、瞑想や祈りに集中できる静けさを提供しています。
石の柱がまるで森の木々のように天井へと伸び、その下に立つと、自分が自然の中にいるような感覚になります。

栄光のファサードの建築状況 (Glory Façade)

栄光のファサードは、サグラダ・ファミリアの正面入り口にあたる部分で、最も壮大な設計が施されています。
このファサードは、キリストの復活と栄光をテーマにしており、現在も建設が進められています。
完成すると、天国への道を象徴するような壮大な階段が設置される予定で、訪れる人々を圧倒する新しいランドマークとなるでしょう。
また、ガウディが描いた計画では、栄光のファサードは聖堂全体の中心的な存在として位置づけられており、建築のクライマックスとなる部分です。
現代の技術と伝統的な建築技法が融合し、完成を目指して細部まで丹念に作業が行われています。

扉だけは完成しています。中央には主の祈りがカタルーニャ語で書かれており、その周りには異なる50の言語で祈りの一説が再現されています。日本語もありました。

受難のファサードの彫刻 (Passion Façade)

受難のファサードは、生誕のファサードと対照的なテーマを持っています。
イエス・キリストの受難と死を描いたこのファサードは、よりシンプルでモダンなデザインが特徴です。
険しい直線と角張った形状が、キリストの苦難と悲劇を象徴しています。
ガウディが描いたデザインを元に、20世紀後半に彫刻家ジョセップ・マリア・スビラックスによって完成されました。
このファサードには、最後の晩餐やユダの裏切り、十字架を背負うキリストなど、重要な聖書の場面が描かれています。
それぞれの彫刻は、見る者の感情に訴えかける力強さを持っています。

生誕のファサードの塔に登る

チケット予約時に生誕のファサードと受難のファサードのどちらかのエレベーターを予約できます。
私は生誕のファサードの塔を選びました。

エレベーターで上まで上がり、そこからは狭い螺旋階段を降りていきます。
高所から見下ろすバルセロナの街並みは息を呑む美しさで、ガウディが設計に込めた自然との調和を感じられました。

感動の余韻

塔からの景色、彫刻の精緻さ、そして内部の神聖な雰囲気—すべてが一体となって、私にとって忘れられない体験となりました。
この聖堂はただの観光名所ではなく、訪れる人に何かしら心の変化をもたらす場所です。

バルセロナを訪れる際には、ぜひ時間をかけてこの場所を堪能してください。そして、できれば塔にも登り、この建築の隅々まで感じてみてください。きっと、言葉では言い尽くせない感動を得られるはずです。

カテゴリー: Spain

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