ちょっと前の話になりますが、タイ6日間プランのタビイクに参加したのでその感想です。
あくまで個人の感想ですが、
本気で旅したいならタビイクじゃないでしょ
という気持ち。
タビイクが合う人もいると思います。
ただ、どんなものかを把握した上で適切な期待を持って参加した方が良いと思うので、一つの意見として読んでもらいたいと思います。
そもそもタビイクって何?
Twitterやインスタなどで広告を見たことがある人もいるかもしれません。
簡単に言うと、タビイクとは、海外一人旅バックパッカーの育成ツアーです。
参加費を30,000円ほど(プランによって異なる)支払いますが、航空券も、保険も、ホテルも、旅程も全部自分で決めて自分で支払います。
では参加費30,000円で何が付いてくるかと言うと、同じ日に同じ空港に到着する10人程度の仲間と、一人旅に慣れた引率1名です。
引率と言っても案内してもらう訳ではありません。
どこに行きたいか、どこに泊まりたいかを話し合う10人の仲間の司会役のようなもので、一緒に行動はしていません。
私はタイの空港に集合し、6日間行動を共にするプランに参加しました。
値段はキャンペーン中で15,000程。
一緒に参加したのは男子4名、女子3名、引率女性1名。
空港に着いた時点では宿も行き先も決まっておらず、初めて会った他の仲間と話し合って決めました。
6日間のプランの後直接日本に帰国する人は少なく、ほとんど全員が何日間か一人旅をしてから帰国していました。
なぜタビイクをオススメしないのか
タビイクの参加目的は、成長することだと思っています。
何かとハードルが高い一人旅ができるようになること、海外を知ること、外国人と話せるようになることなど、具体的な目標は様々ですが、基本的な目標は「成長」であるはずです。
そうではなく、外国で観光をしたいなら日本人ガイド付きの海外旅行パックを買えば良いのです。
私がタビイクをオススメしないのは、「成長の場」としては不十分だと思うから。
その理由を説明していきます。
遊びたい盛りの大学生の溜まり場
大学の休み期間に合うように企画されていることからも分かる通り、この企画のターゲットは大学生です。
実際、私が参加した時も参加者は全員大学生でした。
遊びたい盛りの大学生を10人集めて、一人旅スキル強化と称して2人〜3人のチームを組ませるのです。
何が起きるか・・・。
一日の報告会と称して夜は毎日飲み会。
2人旅は人数さえ合えば男女のペアになるように組まされる。
島旅では全員でビーチに行って運動会。
夜は男女混同の1部屋に泊まって夜中までおしゃべり。
別に悪いことではありませんし、メンバーの雰囲気が良ければ楽しいと思います。
ただ、「旅をすることで世界の人と関わりを持てて世界に目を向けられるから、旅人が世界を平和にできる」とか「タビイクに参加すればコミュ力や行動力がつく」とか、そんな大義名分を掲げられるようなプランではないのでは、と思うのです。
あくまで、「遊びに行く」感覚が正しいのではないでしょうか。
何をするにもスマホ禁止
空港から出る時の最初のミッションは、「宿が多い市街地まで移動すること」です。
これ自体はそこまで難しい話ではありません。
空港は一番外国人が多い場所なので、バス停の場所も分かりやすく、英語が分かるスタッフもいます。
ただ、違和感を覚えたのは異様なまでの「スマホ禁止」
GPSを使えばすぐに分かるけど、それじゃwifiがない場所では旅ができない!
スマホに頼って歩いた道は、スマホがなきゃ歩けない。それでその道を歩いたことになるのか?!
というような話をされたのですが、「私日本でもgoogle map使ってるけどな」という気持ちでした。
しかも、google mapは地図をダウンロードすればwifiなしのオフラインでも使えるんです。
一人旅育成と言うなら、「人に聞きながら歩く」なんて分かりきった手段ではなく、知っていれば使える便利なツールを教えてくれれば良いのではないかなぁ、と。
コスパが良いとは思えない
タビイク参加費用はキャンペーン適用外でも30,000円程と、別に高くはありません。
ただ、この30,000円の中には何も含まれていないのです。
航空券や宿代はもちろん、引率がつくとは言っても監督しているだけで何か特別なことを教えてもらえる訳ではありません。
旅を始める前に、
間違った交通機関に乗っていたとしても、本当に危ないことにならない限りは指摘しません。
と宣言されました。
大体の旅程を決めてもらえると言っても、「2人で旅をする日」「島に行く日」というのが決まっている程度で、初めて会った日本人と話し合いながら行き先を決めるのはかなり手間です。
また、他の参加者に合わせて付き合いでお金を出す必要があることもあります。
レストランや宿では、シェアできることで得することもあれば損することもあります。
さらに、気の合わない参加者と行動を共にすることになれば、かなり苦しい時間になることでしょう。
また、宿や交通機関に関してもコスパが良かったとは思えません。
宿に関しては、宿がたくさんある地域に行ってから、予約なしで宿のスタッフに直接値段を聞いていきます。
これを手頃な値段で空いている宿が見つかるまで行います。
宿が多くある地域は引率に教えてもらえるので、この方法でも夜までにその日の宿を見つけることはできます。
交通手段に関しては、その辺にいる人に聞きながら調べます。
失敗して戻ることになっても、まあなんとか着きます。
「バックパッカー=現地の人ともめながらどうにか生きること」
と考えればこの方法が一番それに近いのですが、事前にネットで宿を探したり、交通手段を予約したり、地図を見たりした方が圧倒的に早くて楽だろと私は思いました。
実際、後から少し検索すればよりコスパの良い宿や交通手段が見つかります。
現地で教えてくれた人に騙された訳ではありません。
ただ、旅に必要な情報がネット上に溢れている中、わざわざ現地の人に迷惑をかけながら行動する意味が分かりませんでした。
「グローバル人材」が集まる訳ではない
「遊びたい盛りの大学生の溜まり場」と前述したことからも分かる通り、タビイクに集まるのは「遊びたい人」であり、「グローバル人材」ではありません。
私が参加した時は、参加者だけでなく引率も英語を話せませんでした。
もちろん、現地語も分かりません。
現地の人と深いコミュニケーションを取ることでその国を知ろうとしている訳ではなく、バックパッカーらしく、身振り手振りで理解してもらうことで何とか目的地にたどり着いているだけです。
タビイク参加中に何をしたかを考えても、一緒にツアーに参加した日本人と話していた時間が一番長いです。
友達はできましたが、海外に来て日本人の友達を作っている状況に疑問符がつきました。
タビイクに向く人、向かない人
「成長の場」としてはタビイクは不十分だと思うと書きましたが、タビイクに向いている人もいると思います。
- 海外に遊びに行きたいが一緒に行ける友達がいない
- 新しい友達(日本人)が欲しい
タビイクをきっかけに付き合い始めた人も知っていますし、帰国後に同窓会が開かれることもあるので、友達づくりの場としては良いのかもしれません。
そのために海外に行くのが良い案なのかは分かりませんが・・・。
ただ、タビイクに参加したことで「一人旅って思っているより簡単」ということは学びました。
世界中を旅している引率ですら英語が分からない。
現地語ができる人もいない。
事前準備や下調べは全くしていない。
それでも、ちょっと余計にお金がかかって、ちょっと非効率な周り方になったくらいで、生きて帰って来ることはできました。
タビイク参加後、完全に一人で旅をする機会が何度かありました。
タビイクのようなやり方で旅しようとは思いませんでしたが、「いざとなればタビイクみたいなやり方もある」と知ることができたのは良かったです。
今まで海外に一回も行ったことが無い人はともかく、団体旅行や短期旅行など、少なくとも海外に行ったことはあるという人なら、一人旅は絶対にできると思います。
だから、一人旅の練習としてタビイクに参加するなら、仲の良い友達と2人旅してみた方がコスパも良く、初対面の人と行動する煩わしさもないのではないかと思います。
ただし、あくまで個人の意見です。
私が一人旅でオススメしたいのはcouch surfing
一人旅するなら絶対試して欲しいcouch surfing