私がマレーシア、コタキナバルに行ったのはムスリムが日中断食をするラマダンの時期。
ムスリムにとってこんなに大事な時期に、マレーシアの中でも1、2位を争う美しさだと言われるCity Mosqueに行けるなんて幸せです。
ただ、この市立モスク。一時は観光客への公開が停止されたこともあるんです。
2018年に中国人観光客がモスクのフェンスの上でセクシーダンスをし、you-tubeに公開。
動画は拡散され2日間で173万回再生。
これに対しマレーシア人は宗教上不適切な行為だと激怒し、モスクの管理者はイスラム教の尊厳を守るために観光客への公開を一時停止しました。
問題を起こした中国人観光客は、罰金を課された上で中国に強制送還されています。
非ムスリムからすればただの「綺麗な建物」かもしれませんが、ムスリムにとっては本当に神聖な礼拝の場所だということを忘れてはなりません。
今回はモスクの見所と合わせて失礼のない見学手順を紹介します。
ゲートを通ったらチケットを購入
上の写真に写っているフェンスの向こうがモスクの敷地に見えますが、実はこの芝生を覆うようにもう一つ道路に面したフェンスがあり、そのフェンスを通った先がモスクの敷地内です。
市立モスクの敷地内に入場するためにはチケットが必要。
つまり、この写真を撮るためにもチケット料金を払わなければなりません。
入り口を通ったら、写真を撮る前に右手のチケット売り場に向かってください。
チケット料金
敷地内に入場:5RM
建物内も見学:5RM(貸衣装代)
+5RMでちょっとラグジュアリーな衣装を選択可
普通の衣装代だと、単色のシンプルなスカーフになります。
見学者の中にはやけに綺麗な柄のドレスを着ている人もいたので、それがラグジュアリー衣装でしょう。
友達と着ていたらそっちを選択しても楽しいかも。
男性の場合、長ズボンに半袖(タンクトップ以外)を着ていれば衣装を借りなくても見学できるようですが、女性の場合は肌の露出をゼロにした上で髪も隠さなければならないので、貸衣装を借りるしかないでしょう。
ムスリム女性は半袖もNGなので、熱帯のマレーシアでも常に長袖長ズボン(スカート)+ヒジャブです。
チケットを買ったら、チケット売り場の奥の衣装置き場でチケットを見せます。
ヒジャブの被り方など分からないことだらけですが、ムスリムのお姉さんが背丈に合ったものを出して着せてくれるの問題ありません。
建物の入り口は?
衣装を着たらモスクの敷地内を自由に見学できます。
ただし、観光客が入場できるモスクの入り口は一つ。正面のエントランスだけです。
写真に写っている建物横の窓のようなドアも開いているように見えますが、こっちはムスリム専用の場所につながっているので入らないようにしましょう。
観光客が入って良い入り口は、この写真の右側にあります。
こちらがエントランスの様子。
入り口で靴を脱ぎます。
イスラム教の礼節は日本の文化とよく似ています。靴を脱ぐ、椅子には座らず床に正座する、お辞儀する、など。
市立モスクの内部見学
エントランスを通ると、ガイドを名乗るムスリムのお姉さんが近づいてきます。
これは怪しい人ではなく、外国人にイスラム教の礼節を守った観光をさせるための正式な人なので、怪しまずにきちんと話を聞きましょう。
英語ですが、ここで説明されるのは以下のような内容です。
- 写真撮影は可能
- 踊ったり、ジャンプしたり、大声で話したり、礼節を欠くような行動はやめてください
- 肌を見せないでください 女性が長いスカートの足元をたくし上げたり、ヒジャブを脱いだりするのはNG
- 手を合わせないでください 手を合わせて祈る行為は他の宗教のもの。 イスラムの礼拝では手を上に向ける仕草をします。
- 壁の内側、衝立の内側には入らないでください ムスリム専用のスペースがあります。
特にやってしまいそうなのは手を合わせて祈るポーズで写真を撮ってしまうこと。
イスラムのお祈りはこんな感じで、手のひらを上に向けます。
他の宗教の方式でお祈りをするのは、イスラム教の神に失礼なのでやめましょう。
内部の様子はこんな感じ。
非ムスリムの観光客が立ち入って良いのは、壁より手前、左側の仕切られている部分より右側です。
壁の奥はムスリムの男性用、左側はムスリムの女性用の場所です。
ムスリム女性用のスペースは、過度に男性に見られることを避けるために男性より後ろに設置されていることが多いです。
女性用スペースが狭いのは、女性は自宅で祈ることの方が多いことが関係しています。
モスク内には、頭を絨毯に擦り付けて祈っている人もいれば、コーランを読んでいる人、ただ寝そべってスマホを見ている人など様々です。
私も床に座ってゆっくりとモスクの神聖な雰囲気を楽しみました。
壁にはイスラム教のお祈り情報を流すモニターもあります。
メッカの方角や、今日のお祈りの時間を表示していました。
イスラム教のお祈りの時間は太陽の動きに関係しているので、毎日2分ずつくらいズレるんですね。
市立モスクを一周
衣装を着ていれば、モスクの敷地内、建物の外を見学することも可能です。
いろんな角度からモスクを楽しみ、写真を撮りました。
最初に入った入り口の反対側にも入り口がありますが、こちらもムスリム専用の場所につながっているので入らないようにしましょう。
最後は、モスクの敷地内正面からの撮影。
貸衣装なしで入れる範囲はここだけのようです。(ここからの写真撮影にも、チケット購入は必要です。)
モスクに近づいて建物を一周するには、貸衣装を着る必要があります。
人工池に浮いているように見えるのが素敵ですね。
夜景や夕日と一緒に見る景色も素晴らしいようです。(その都度入場料がかかりますが)
収容人数は9,000人から12,000人だそう。
営業情報
見学時間:金曜以外8am – 5pm
料金:建物外のみは5RM。建物内も見るなら10RM