海外一人旅で人生は変わるか – TripLearner

原体験の旅、と言うのかどうかは分からないけど、初めて一人で海外で出歩いたのは、大学2年生の時に行った語学留学の休日だった。
居心地の良いホームステイ先から出て、語学学校のツアーにも参加せず、トロントから電車とバスで数時間かかるナイアガラの滝を一人で見に行った。

語学学校の試験によるクラス分け結果を見て、
「私、英語を勉強している人の中では話せる方なんだな」
と気づいたことで、自分なら学校のツアーに頼らなくても一人でやり遂げられる、と妙な闘争心が湧いたんだと思う。実際、東京よりずっと簡単な路線図を見て、特急に乗り、バスの行き先を調べ、標識を見ながら歩くなんて、簡単だった。
大学の同窓生には帰国子女も多いし、一年留学をしたり、海外駐在できるような職に付いたりする人もいる。別に自慢できるようなことじゃないと分かっていながら、全てを一人でやりきった私は、日本人団体客を横目に得意げだった。

3月の寒空の下、無事にたどり着いたナイアガラの滝を、何度も何度も、気が済むまで往復した。この景色は今も、私が人生で見た美しい景色の一つだ。

帰り道、何故あの景色がこんなにも特別に思えたのかを考えてみた。

結論、一人だったからだ。

たどり着けるか分からない。でも、たどり着けなくても誰も文句は言わない。それが自分には心地よかった。着いたら着いたで、自分の好きなだけその場に居ていい。誰に気兼ねすることもなく。
そして、初めての場所に一人で佇んでいたその瞬間、私は確かに生きていた。

2回目の一人旅では、タイ、マレーシア、シンガポールの3カ国を2週間かけて周った。

きっかけは、
「電車は毎日一人で乗っているのに、どうして飛行機は一人で乗り継いだことがないのか」
という疑問。
私は一体何を恐れているんだ?電車も飛行機も変わらないじゃないか。

一人で歩き回れる範囲が広くなれば、強くなれるような気がした。何に対してだかは分からないけど、とにかく強くなりたかった。
でも結局、一人で飛行機に乗るのも、列車を探して陸路で移動するのも、全然難しくなかった。そりゃそうだ。観光地ならどこでも英語が通じるし、Wifiまで持っていたんだから。

面白かったのは、むしろ、人だった。私がこの時ちゃんと話せたのは日本人だけだったが、それでも面白かった。
タイからマレーシアの列車で出会った女子大生は、東南アジアを1ヶ月一人旅する予定だと言っていた。行き先が同じだった彼女は私の宿から数メートル先の宿に泊まっており、マレーシアに着いた後も何度かご飯を食べに行った。

マレーシアでは、マレーシア・タイ・インドネシアの家に数ヶ月ずつ住みながら芸術家として仕事をしている老夫婦にも会った。老夫婦は日本嫌いで、数時間にわたって日本のダメな政治について語り、私に海外移住を進めた。

一人でいた時は、友達と一緒に行こうとは言いにくい博物館や資料館で、何時間も過ごした。英語の資料を読み込むのは骨だったが、それでも日本では学べないことを学べたようで、嬉しかった。

大学卒業後、入社を7月に遅らせた私は、また一人旅に出ようと思った。

トルコで2週間、その後フィリピンのセブ島に行きGWに友達と遊ぶ、とだけ決めて、以降は無計画。フィリピンには出国チケットを持っていないと入国できないことにトルコに着いてから気づくような、ギリギリの計画だった。

今回の目的はもっと現地を知ること。
一人旅の面白さはだと前回気づいたので、今回はローカルの人ともっと関わりたいと思った。couch surfingを使って同じ年頃のローカルを探し、家に泊めてもらった。会ったこともない人の家に泊まるのは怖かったけど、それがこの旅を本当に素晴らしい経験にしてくれた。

トルコで最初に会ったホストは、とにかくおしゃべりだった。トルコ人の特徴、トルコの文化、政府、言語、音楽、ダンス、結婚式のやり方やトルコ料理の作り方など、全部説明してくれた。
女子旅らしくたくさん写真を撮って、ふざけて、笑った。
家に4泊させてもらった後、一緒にカッパドキアへ行ったので、彼女とは1週間一緒に過ごした。別れる時には、二人とも泣いた。

普段無感動な方なので、泣いたことに自分でも驚いた。そして、彼女と、彼女が好きなトルコが大好きになった。

その後フィリピンで2週間、マレーシアで1週間、ベトナムで4日ほど過ごした。それぞれの国でローカルに会った。その国の思い出と言うより、そこで出会った人との思い出が大きい。

色んな人に会っていくうちに、もっと日本人になりたいし、もっと国際人になりたいと思った。
「あなたは日本のどこが好きなの?」と聞かれて、答えに詰まる自分が悲しかった。日本の社会問題を相手が知っているのに、自分は相手の国についての知識がないことが恥ずかしかった。「日本に旅行するならどこがおすすめ?」と聞かれて、「東京は見るものないから、京都に行った方が良いよ」と簡単に自分が住んでいる地域の説明を終わらせてしまう自分も嫌だった。

また、良い人に出会えた国・地域には、良い思い出を持っていることに気付いた。国際交流なんて、結局はそんなに大逸れたことじゃなくて、人と人の繋がりなんじゃないか。私がローカルに会ったことでその国に良いイメージを持ったのと同じように、相手にも、私に会ったことで日本に良いイメージを持ってもらいたい。

そのために、もっと日本のことを知って、日本が好きになれるようになって、海外のことも知って、海外で会った人に、あなたの国に興味がありますって伝えるようになれたら。私はこの広い世界で生きているんだなって、感じられるような気がした。

長々と書いてみたけど、結局、海外一人旅なんて人生を変えようと思って行くもんじゃない。なんとなく強くなれた気がするし、なんとなく刺激的な気がするけど、そんなに難しいことでも、怖いことでもない。

ただ、一人で行ったから会えた人がいて、一人で行ったから考えられた時間があって、一人で行ったから経験できた試練はあった。その経験を元にこれからの行動を変えられたら、この旅が人生を変えたことになるのかもしれないと思った。

カテゴリー: 旅のTIPS

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